手や素足が濡れていると、人体に電気が通りやすくなります。このような状態で電気器具や電気配線に触ると感電する恐れがあります。よく手を拭いてから触るようにしましょう。
「感電」ってなに?
電気が身体に流れて「ビリッ」と強い衝撃を受け、しびれることを感電といいます。電流が身体を通って流れ感電するのです。電流の大きさによって、感じ方が違い、最小感知電流(1mA程度)、不随電流(運動の自由を失う最小電流、15mA程度)、心室細動電流(心臓に多量の電流が流れケイレンを起こす最小電流、測定不能)などに分けられます。
心臓にこの心室細動電流以上が流れると、感電死亡となります。身体が水に濡れていたり、汗をかいたりなど、電気が流れやすい状態で感電するとその危険性は高まります。
感電は、取り扱う電圧が高くなるほど危険です。しかし、住宅などで使用されている100Vでも、死亡した例があります。
濡れた手で触るとなぜ危険なの?
人体に流れる電流の算定式は
電流(A)=電圧(V)÷抵抗(Ω)です。
家庭で使う電気の電圧は一般的に100Vで、抵抗は人体の内部抵抗と皮膚の接触抵抗の合計です。内部抵抗は一般的に500(Ω)程度ですが、皮膚の接触抵抗は乾燥状態で大きく変化します。 濡れた状態で感電した場合、人体に流れる電流の計算は、
電圧(V)÷[内部抵抗(Ω)+接触抵抗(Ω)]=電流(A)
という式になります。
ここから算定される数字は
100(V)÷[500(Ω)+300(Ω)]=0.125(A)
となり、人体には125(mA)の電流が流れることになります。
通電経路と通電時間も影響しますが、致命的な障害を起こす電流が流れることになります。